相続業務、不動産登記、会社登記、成年後見まで
遺言書は自身の財産を誰にどのように引き継ぐかを決める大切な意思表示です。
遺産分割での争いを未然に防ぐ効用の他、
各相続人の生活状況に応じて有効に遺産を分配できる効用もあります。
相続を円満にするために遺言書を活用しましょう。
遺言書にはいくつかの種類がありますが、 一般的に使用されている自筆証書遺言と公正証書遺言について説明します。
自筆証書遺言とは、遺言者がその全文・日付・氏名を自書し、これに押印することによって成立する遺言です。遺言の中では最も容易な方式です。
★書き方の注意点とアドバイスはこちら★
公正証書遺言とは、公証人が作成する公正証書によってする遺言です。自筆証書遺言との違い、比較は下記の表のとおりです。
自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | |
---|---|---|
メ リ ッ ト | ①遺言の内容・存在を秘密にできる | ①公証人が関与するため、不備がない |
②証人が不要で1人で作成できる | ②公証役場で保管するため、紛失、偽造等のおそれがない | |
③作成費用が不要 | ③遺言の検認手続きが不要 | |
④相続人への思いを伝えやすい | ④公証役場の検索システムにより、遺言者の死後、速やかに遺言の存否を確認できる | |
デ メ リ ッ ト | ①字の書けない人は利用できない | ①作成に証人2名の立会が必要 |
②書き方に不備があると遺言自体が 無効になる | ②証人も遺言書の内容を確認するため、遺言の内容が漏れるおそれがある | |
③紛失・偽造・変造・隠匿・不発見のおそれがある | ③作成費用がかかる ※料金表を参照できます | |
④家庭裁判所の検認手続が必要 | ④時間と手間がかかる |
夫婦間に子供がいない場合、配偶者と亡くなった配偶者の親や兄弟姉妹が相続人となり、配偶者が全ての遺産を相続することができなくなります。
また、血縁関係のない両者が遺産を共有状態で引き継ぐと、その後の処分で揉める可能性があります。遺言書を作成しておけば、全ての財産を配偶者に残すことができます。
遺産が土地・建物などの不動産の場合、共有で相続すると簡単に分配・売却できないので、揉め事が起こる可能性があります。
遺言書に不動産を相続させる人、現金を相続させる人を記しておけば問題を未然に防ぐことができます。
遺言書がない場合、遺産は法定相続分に応じて、もしくは遺産分割協議によって相続人の間で分配されることになります。そのため、相続人以外の人に遺産を引き継がせたい場合、遺言書の作成が必要になります。
例えば、長男の配偶者にお世話になった為財産を分与したい場合、配偶者には相続権がない為、遺言書に記載することで応分の財産を配偶者に遺贈することができます。
相続人が全くいない場合、特別な事情がない限り、遺産は原則として国庫に帰属します。そのため、生前にお世話になった人や、公共団体に遺産を寄付したい場合には、遺言によりこれらの個人や公共団体に財産を遺贈する必要があります。
先妻の子供と後妻、後妻の子供との間では揉め事が生じやすいので、 遺言書で財産を分与しておくことで、未然に問題を防ぐことができます。
上記5と同様、後妻と先妻の子供の間においても、遺産分割で揉め事が生じやすいので、遺言書できちんと財産分与をしておくべきです。
会社経営者や自営業者の場合、相続によって資産が分散してしまうと経営が成り立たなくなる可能性があります。そのため、後継者が安心して事業に必要な資産を相続できるよう遺言書を作成しておく必要があります。